ITシステム保守業務においてもAI導入の可能性は高まっています。
特定のタスクはAIによって代替できるようになっていますが、完全な自動化には道半ばと思えます。
自分が身を置く案件でもまだ表立ったAIの導入はありません。
以下に、AIの代替可能性を解説してみます。(あくまで個人的見解ですので、、、)
- AIが代替できる領域
予知保全領域は?
AIはシステムの動作データを収集・分析し、障害が発生する前に兆候を検出することができるかも。
システム障害を未然に防ぐ「予知保全」が実現でき、事前対応が容易になると思います。
でも前もってデータの蓄積が必要ですので、新規障害に対してはまだ対応できないのではと思います。
監視・アラートの自動化は?
これは現行の機能で備わっていますが、
ネットワークやシステムのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、異常が検知された場合に自動的に
アラートを発することは、AIを活用してより高精度に異常を判断できるようになります。
これにより、常時監視する人的リソースの削減が期待できますな。
いまも監視システムは導入されていますが、何を対処すべきという指示もあればさらに効率化できそうです。
インシデント対応は?
軽微なシステム障害や定型的なインシデント(例: メモリ不足やディスク容量の警告など)に対して、
AIは自動的に対処できるようになることがあります。ITシステムにAIの対処をどこまで許容させるかに
よると思います。稼働に影響を及ぼすような挙動を示した時、人がそれを止めることが出来るか、ですね。
- AIが代替しにくいのは?
複雑な問題の解決はどうなの?
システム障害の中には、複数の要因が絡み合った複雑なケースが多いです。そこは人間の判断や、「こうなのかも?」という仮説を設定して問題解決する能力が必要とされる場面があります。先にも述べましたが、AIが予期しない新しい種類の問題が発生した場合、人間の介入が必要になることが多いと考えます。
システム全体の構成・設計への導入は?
システム全体の運用方針や設計変更、プロセス改善など、長期的かつ戦略的な判断には、人間の考えが必要です。AIは定型的な作業に強い一方で、組織のビジネス目標やシステム全体の最適化を考慮する複合的な意思の決定にはまだまだ難しいように思います。。
顧客対応やチームとの調整はできるか?
システム保守には、クライアントや他のチームと連携することが多く、状況に応じた柔軟なコミュニケーションが求められます。まだこのような人的スキルや顧客対応は、完全に代替されることは難しいと思います。
- AI導入のメリットとリスク
メリット:
作業効率の向上ができる。
定常的な監視や軽微な問題の自動対応により、人的リソースを大幅に削減し、より複雑な作業に
人材を集中させることができます。
コスト削減が出来そう。
簡単なトラブルシューティングや監視作業をAIに任せれば、運用コストが削減できそうです。
リアルタイムの対応も任せられそう。
AIは24時間365日監視し続けることが可能で、人間が対応する前に迅速に問題に対処できる点が
大きなメリットです。夜勤担当者は、クリティカルな問題以外は空いている時間が多いと感じます。
人がいなくても、一次対処をAIが担えれば問題ないと思っています。
リスク:
AIの限界は、
AIが予測できない問題や、新たな脅威が発生した場合、適切に対応できないリスクがあります。
そのため、AIを導入しても人間の監督が必要です。監督者はよりシステム理解、問題対応能力がある人が求められると思います。
セキュリティリスクはある?
AIシステム自体がハッキングされるリスクや、誤った判断によるシステム障害の可能性も考慮する必要があります。これは設計段階での検証が必要でしょうが、そもそもITシステム自体の開発が工数ギリギリの中で、新たに検証工数を組み込めるか?です。
結論
ITシステム保守業務の一部は、AIに代替される可能性が高いと思います。
特に、監視や予知保全、軽微なトラブルシューティングは今後さらに自動化が進むでしょう。
進んでもらわないと労働人口減少の中で社員の負担が上がってしまう。
しかし、すべての保守業務をAIで置き換えるには時間がかかり、複雑な判断や創造的な問題解決、人間とのコミュニケーションが必要な場面では、まだまだ人間の関与が必要ですね。
AIは人間のサポートとして役立つ一方で、完全な代替は現時点では難しいと言えるのではないでしょうか。
コメント